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- Title
なぜ経営学では小倉昌男とヤマト運輸を学ぶのか.
- Authors
星野 広和
- Abstract
ヤマト運輸(現・ヤマトホールディングス)の宅急便事業開発およびそれを主導した小倉昌男は, 経営学初学者の多くが学習するケースであり偉大な経営者である。本稿の目的は, 次の3 点である。 第1 に, なぜ経営学, 特に入門科目やゼミナールおよび定番テキストで, ヤマト運輸のケースや 『小倉昌男経営学』が取り上げられるのかを考察することである。第2 に, ヤマト運輸の宅急便事 業開発のケースを用いて, 経営学で学習するテクニカルタームや思考法を具体的に理解できるよう に解説することである。その際, これまで経営戦略論の観点から取り上げられることの多かったヤ マト運輸のケースに対して, 本稿では主要な経営学説(特にP.F.ドラッカー)および社会科学的 思考力(ものの見方を広げる, 理論と実践との接点, 優れた企業人の思考法)の観点から説明を加 える。第3 に, 経営者に求められる資質のひとつである「高い倫理観」について, 小倉昌男がなぜ その資質を重視したのか考察する。本稿では, 彼の倫理観に影響を与えた要因として, マックス・ ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を挙げるとともに, 長年の得意先 でもあった三越の配送業務から撤退することを余儀なくされた岡田茂当時社長の経営スタイルから の訣別を指摘する.
- Publication
Kokugakuin University Economics Review / Kokugakuin Keizaigaku, 2023, Vol 72, Issue 1, p15
- ISSN
0288-6340
- Publication type
Article